原発性硬化性胆管炎(以下PSC)発覚後もほぼ無症状で過ごしていましたが、度々発生していた胆嚢炎/胆管炎の体験を紹介します。痛すぎて救急車で搬送されたこともあります。
自分の場合はPSC(胆管の狭窄)がそもそもの原因ですので 一般的な胆石の原因ではありません、またアルコールの摂取もしていません。
※胆嚢炎/胆管炎と書いているのは、正確にどちらの炎症か判断できずに症状が落ち着いていた為です。
急性胆のう炎の概要
急性胆のう炎とは胆のうに炎症が生じた状態です。胆のうがむくんで腫れ、炎症の進行とともに胆のうの壁が壊死していきます。症状は初期には上腹部の不快感や鈍痛で、炎症の進行とともに右季肋部痛(右の肋骨の下あたり)になり、次第に激痛になります。
日本肝胆膵外科学会 ー急性胆のう炎と急性胆管炎ー より部分引用
急性胆管炎の概要
胆管は胆汁が流れる管で、肝臓から分泌された胆汁を十二指腸に運ぶ役割をしていますが、胆管に感染が生じた状態が急性胆管炎と呼ばれます(図1)。急性胆管炎が起こると、発熱し黄疸が出現し、右季肋部痛がおこります。症状が進行すると、意識が混濁したりショック状態になることもあります。
日本肝胆膵外科学会 ー急性胆のう炎と急性胆管炎ー より部分引用
このページを書いている自分は、指定難病の原発性硬化性胆管炎を10年前に発症し毎月通院をしています。病気が進行し肝硬変に至りましたが、肝移植を受ける事ができ助かる事ができました。 30代男性です。
『胆嚢炎/胆管炎』 発症~治療
発生状況
ほぼ食後に発生しました、100%ではないのは身体的に負担をかけた時に発生したこともあるからです。お酒を飲んでいないでアルコール負荷はわかりませんが、食事原因が主でした。その時のに共通してたのが『高脂質料理と満腹まで食べる』が大体の共通点でした。
症状
38℃以上の発熱と右腹の激痛(あばら下)が主で、激しい嘔吐もありました。自分の場合は背中側の痛みも同じくらいに強かったです、ちょうど真裏辺りが。そして膨満感が続きます、これは嘔吐した場合はまだいいのですがそのままだと消化できないのか、長時間食べたものが残っている感覚が続くので吐き気との闘いでした。 高熱と激痛でまともに動けなくなるので助けが必要になります、慣れると食後の消化具合でなんとなく危険度が分かっていきました。
診断
まず採血で肝機能系の数値、炎症反応(CRP)などを調べて、画像検査(CT)で胆嚢周辺を見るのが大体の流れでした。採血結果と画像結果をみてから対応が始まりますが、当然この最中も痛いままですので耐えるしかありません・・・、たぶん一時間以上はあります。
自分の場合は胆石なしで胆嚢が腫れている状態、恐らく細菌感染していると思うというのが毎回でした。採血数値はCRPと黄疸が高く画像では胆嚢が少し腫れてるかな?と、大体言われていました。原因はいつもハッキリしなかった記憶があります。下記がその時の発生前後の採血データです、入院治療時と日帰り治療時の2つを載せています、元々PSCのせいで数値は基準値より高いですが発生時には肝機能系の数値上昇があります。
GOT | GPT | ALP | γ-GTP | 総bill | ||
基準値 | 35 | 40 | 320 | 90 | 1.3 | |
2011/10/14 | 80 | 151 | 598 | 266 | 0.8 | |
2011/10/22 | 166 | 211 | 627 | 271 | 1.7 | 発生時 |
2011/10/22 | 162 | 245 | 578 | 260 | 2.4 | 入院治療 |
2011/10/24 | 54 | 138 | 515 | 204 | 1.2 | 入院治療 |
2011/10/25 | 53 | 127 | 533 | 210 | 1.3 | 入院治療 |
2011/10/26 | 51 | 113 | 507 | 192 | 1.2 | 入院治療 |
2011/11/11 | 93 | 146 | 558 | 163 | 0.8 | |
2012/6/22 | 110 | 207 | 572 | 175 | 1 | |
2012/6/25 | 149 | 269 | 643 | 191 | 2.1 | 発生時 日帰り治療 |
2012/7/27 | 99 | 149 | 693 | 187 | 0.9 |
治療
自分の場合は幸いにも点滴で抗菌薬(抗生剤)と痛み止めの投与だけで終わってました、入院までになると絶食も行い炎症が収まるまで待ちましたが、たぶん初回の1回のみであとは日帰りで終わっていました。原因不明で対応されますが抗菌薬で落ち着いていたのでやはり細菌感染だった様です。あまりひどいと胆嚢摘出やドレナージなどもするようですが、そこまで重篤化は経験しませんでした。
下記に診療のガイドラインのリンクを貼ります、最近改定されたようです。
‐TG18新基準掲載‐急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018
食事で予防を
胆嚢炎を繰り返してから、予防しようと意識したのは食事で特に食事量と脂質です。肝臓の負担を意識して、高脂質や満腹を避ける事を意識してきました。個人的にですが経験上、満腹を避けるのが一番効果的ではないかと思っています、油ものを食べたとしても少量であれば問題ない事が多かったです。
結局は規則正しい生活や、偏った食事ではなくバランスの良い食事など一般的に言われている健康的な生活を意識することだと大事かと思います。
生活習慣改善10カ条 全国健康保険協会 HPより
『胆嚢炎/胆管炎』最後に
以上が自分の胆嚢炎経験です。
食事の注意を書きましたが、とにかく激痛が発生しますので繰り返すと自然に気を付けるようになると思います。胆管炎/胆嚢炎は発熱を伴うのが一般的なので、症状がでるようであれば、なるべく早く病院に行く事をおすすめします。徐々に痛みも熱も増して動くことが困難になります。
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