原発性硬化性胆管炎診断から5年ほど経過した頃に食道静脈瘤が発生し、病状の悪化に伴い移植を意識した病院選びを2015年にしました。当時の肝硬変のグレードで登録が厳しい中、条件が合う病院が見つかり移植希望登録の為の検査入院を行った当時の記録です。結果的に希望登録はできませんでしたが各病院の基準などを知る事ができました。
※移植条件は個人により様々ですので、あくまで参考にお考えてください。また基準等は年々変更されています。
このページを書いている自分は、指定難病のPSCを10年前に発症し毎月通院をしています、脳死肝移植を受ける事ができ助かる事ができた 30代男性です。
『原発性硬化性胆管炎と病院選び』自分の条件
まずは患者の情報です
- レシピエント(自分):男性・30歳代・血液型A・原発性硬化性胆管炎(PSC) ・Child-PughグレードA(6点)
- 家族:母親・60歳代前半・血液型O
通院先の病院では移植が出来ない為、主治医に移植先の病院を探すように言われている状況でした。身内からの提供は母が申し出てくれましたが、高齢で年齢条限の65歳が近く身体的(肝臓の大きさ)にも厳しかったので脳死肝移植を前提に検討しましたが生体肝移植の選択肢も残して探しました。
病院選び
自分は神奈川在住ですが脳死移植ができる病院は県内には無く、東京都内の病院で検討する事になりました。
関東エリア対応病院日本臓器移植ネットワーク 移植施設一覧より
- 東京大学医学部附属病院
- 慶應義塾大学病院
- 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター (18歳未満限定)*18歳以上も継続可能
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院
- 千葉大学医学部附属病院
- 東京女子医科大学病院
病院を選ぶ際、肝移植で調べると実績などで京大や信州大などが気になりましたが、通院や実際の手術対応などを考慮して都内に決めました。
『原発性硬化性胆管炎と病院選び』病院周り
都内の4病院全てで話をしてきました。結果の一覧は以下です、訪問した病院順に感想を記述します。
東京大学 | 慶応大学 | 女子医大 | 順天堂 | |
生体移植(親子) | ○ | × | ○ | ○ |
希望登録(現時点) | × | ○ | ○ | × |
通院 | × | △ | ○ | ? |
慶應義塾大学病院
唯一親子間の生体移植はNGでした、再発率が高いので親子間では無理とのことでしたが、希望登録の検査入院は行えるとの回答でした、通院に関しては基本不可。現在は違うようですが建物が古いままでした、対応してくれた先生は丁寧に話をしてくれました。
東京大学医学部附属病院
親子間の生体移植はOK、希望登録はNG、通院もNGでした。あくまで個人のイメージですがここに通うのはハードルが高い印象です。
ここには2度目の訪問で、原発性硬化性胆管炎診断直後にも訪問しました、通院先の病院の勧めで行ったのですが、その時は来るのが早すぎるという感じの対応され印象が悪く今回も同様でした。施設は比較的新しくきれいな印象です。
順天堂大学医学部附属順天堂医院
生体肝移植はOKで希望登録に関しては病状的に申請しても無理との事でNGでした。こちらには2回ほど伺い丁寧に説明をしてもらえました。病院も新しく移植後の管理には他病院より長く設定しているので自信があるという話でした。
東京女子医科大学病院
最後に行った女子医大病院は通院も含めて全てOKとの事でした、伺った時にたまたま内科外科の教授と話ができ転院も含めて良い返事を貰う事ができました。外来病棟は出来た直後でしたが消化器の入院病棟は古く慶應同様にボロボロでした。
以上が病院周りをした結果です 。
『原発性硬化性胆管炎と病院選び』結果
消去法で女子医大に通う事にしました。状況的に希望登録を優先していたので慶応か女子医大に絞り通院も考慮して決めました。自分としては設備の古さは大分困りましたが検査入院は短期ですし、建物は変わる予定がありそうなので我慢しました。
行く前は移植基準は全国共通なのかと思ってましたが、病院独自に決めている裁量が意外に多かったのが驚きでした。
『原発性硬化性胆管炎と病院選び』最後に
選択肢に余裕があれば、実際の通院を考慮したアクセス方法の確認、実際に入院する病棟の雰囲気や使用する設備などの確認。また移植目的の訪問は、外科の先生との話になりますが、通院になれば内科も受診すると思いますので内科の先生とも話をしておきたいところですし、移植全体を調整する「移植コーディネーター」という方が居ます、術前から術後の現在までコーディネーターさんが窓口になってくれますので、先生達と同じくらい重要になります。実際病院に訪れる際は、なるべく多くの事を確認して総合的に判断されると良いと思います。
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