『闘病記』肝硬変の症状、腹水とむくみ①発覚~治療まで

闘病日記、病気のこと

腹水とはお腹(腹腔)に体液が異常に溜まった状態で、自分の場合は原発性硬化性胆管炎(以下PSC)診断から8年後の2017年頃から発生しました。結局この症状は自分が最後に体験したPSCの合併症になりました。
振り返ると、このPSCという病気になって以来、漠然と「寿命」というものを意識していましたが、この腹水に直面して自分の「死」というものが見えたような出来事でした。


肝硬変末期に発生した腹水の症状・治療・その後についての話です。

肝硬変末期、腹水とむくみ
病歴一覧

「腹水とむくみ」発症~症状

腹水とは

腹腔内には通常少量の水が入っていますが、いろいろな病気の影響で通常よりたくさん貯まった水、または状態を腹水といいます。
なお、水の量は正確には判断できないので、画像を見ての予測になります。

発症と初期症状

PSC発覚から8年後、2017年に定期的に行う画像検査で腹水が溜まりだしたのがわかりました。時期的に3回目の食道静脈瘤治療をしていた頃です。自覚症状がありませんでしたが、足のむくみが発生し筋力低下も感じていました。また体重も減少し、常に背中に鈍痛を感じるようになっていました。
また、直接的な関連は不明ですが2015年頃から足に「下肢静脈瘤」が発生していました。「側枝型静脈瘤」と呼ばれる軽度なもので1年ほど続きました。1日中立ちっぱなしでいる時に起きる程度でした。見た目以外の症状としては少し痛みがある程度で特に治療することはありませんでした。

原因

自分の場合、腹水の原因は「肝硬変」でしたが、その他にも腹膜炎、がん、腎不全、心不全などでも溜まることがあるようです。
「肝硬変」の場合は「門脈圧亢進症」や「アルブミンの低下」が主な原因といわれています。

肝硬変になると血液が肝臓に流入しづらくなり、血液の流れが悪くなります。それにより血液の成分が血管外へ染みだしてきます。また、肝臓は血液中を流れるタンパク質を作っていますが、肝機能が低下するとそのタンパク質も減少します。血液の成分の割合が変化し、血液の成分が血管外へ染み出しお腹や手足に水分が溜まります。それが、浮腫・腹水と呼ばれる合併症に繋がっていきます。

浮腫・腹水「疾肝啓発〜よくわかる肝臓の病気〜」

血液中の水分を血管内に保つのに必要な成分が血液中のタンパク質で、血液中にあるタンパク質の約60%が肝臓で作られるアルブミンです。

採血データ(血清アルブミン値)

肝硬変末期と腹水、アルブミンの推移グラフ
採血データの推移

利尿薬の開始時期までの「血清アルブミン値」の推移です。数値の上下を繰り返していますが、明確な関連性はわかりませんでした。ただ偶然かもしれませんが「食道静脈瘤」治療時期にアルブミン数値に変化が見られることがわかりました。やはり門脈圧の逃げ場を失くしたことによる影響かもしれません。

Child-Pugh分類

期間が短いですが『Child-Pugh分類』のアルブミン値が1点となる、3.5の数値を上下していました。3点となる2.8以下には、手元の採血データでは一度もありませんでした。

肝硬変末期と腹水、Child-Pugh分類表
Child-Pugh分類

「腹水とむくみ」治療

塩分制限と利尿薬の投薬から始まりました。

利尿薬
自分の場合は、ループ利尿薬「ラシックス錠」とカリウム保持性利尿薬「アルダクトンA錠」を1日1錠を交互に飲むように処方されました。
塩分制限
食事に関しては1日6gまでの塩分制限を言われました。
便秘対策
この時ではないですが、肝性脳症を防ぐため以前から「整腸剤」と「酸化マグネシウム」を処方してもらい便秘に気を付けていました。更に「ポルトラック」も服用していました。
体重管理
腹水の変化を把握する上で重要なのが、体重を把握することで利尿薬の効果を確認するためにも、体重管理をするように言われました。


なお、「食道静脈瘤」同様に「肝硬変」が進んだ結果起きる合併症なので腹水を対処しても根本的な治療にはなりません。

肝硬変末期と腹水、利尿薬
利尿薬

肝性脳症とは?

肝性脳症とは、肝臓の働きが低下して本来脳には届かないような物質が脳に入り込むことにより脳神経機能が低下してさまざまな意識障害が出ることを指します。

肝硬変ガイドQ&A 日本消化器病学会より部分引用

「肝性脳症」の原因は様々ありますが、有害物質のひとつアンモニアと、体内のアミノ酸バランスの異常が原因の一因といわれています。

肝性脳症の原因「疾肝啓発〜よくわかる肝臓の病気〜」

上記の主な原因と考えられている、アンモニアを腸管から吸収をしないためにも便秘の対策が重要になります。

食事指導

食事指導に関しては、主治医ではなく栄養士さんからの指導になります。必要な栄養量の計算や食事量についての説明がありました。また体内の水分量や筋肉量なども測定し体の状態の確認をしてもらえたので、それらも参考にすることができました。食事内容のアドバイスもしてもらえます。

減塩の難しさ

減塩を始めてまず感じたのが、いかに今まで「取り過ぎていたか」という事と、世間が対応できていないことに気付きました。「減塩」という言葉自体は、近年よく耳にするようになりましたが、いざ外での食事を考えると栄養表示している店は大手のチェーン店などに限られられますし、企業によってバラバラということがわかりましす。そもそも食品の栄養表記や原材料表記の義務ができたのは最近の話で、そのせいで塩分表記が「g(グラム)」や「Na(ナトリウム)」だったりします。当事者になってはじめて直面する問題だと気付きました。
「PSC」の場合、脂質も考慮する必要があるので、始めた頃は意識しすぎてしまい食べる行為ができなくなる最悪な状況になってしまいました。また3食全て自炊する事は難しかったので、減塩の宅配食を利用して家事の負担を減らしたり、色々工夫をしていました。最終的には自炊に慣れることができ、外出時でも食べれそうなものが大体把握できるようになっていきました。

肝硬変末期と腹水、減塩調理の計量器具
減塩計量器具

上記の画像は、減塩を意識するために購入したものです。塩分計はあまり使用しませんでしたが、キッチンスケール(はかり)に関しては必須でした。今でも使用していますが、やはり「1g」が重要なので「0.1g」単位まで測れるものは便利です。

利尿薬の効果

飲み始めた頃は薬の効果が凄まじく、服用後はトイレとリビングの往復をひたすら繰り返していました。その行為が毎日繰り返すので著しくQOLが低下しました。薬の持続時間は数時間のはずですが、自分の場合は1日中続いたり、効果がなかったりとバラツキが結構ありました。主治医と相談し、服用時間を調整しても変わらず、それ以降は尿意が怖くて外出を躊躇するようにもなりました。

その後

肝硬変末期と腹水、CT画像
腹水の変化(CT画像)

1年ほどは利尿薬の増量や、水利尿薬「サムスカ錠」の服用で腹水のコントロールが可能な状態でしたが、徐々に自覚できるほどの腹水が溜まり始め、難治性腹水といわれる状態になっていきました。

後編に続きます。





減塩の宅配食について
下記が利用していた減塩の宅配食です。費用的な事もあり毎食は無理でしたが、1日1食を置き換えるような使い方をしていました。冷凍食品なので使わなくても保存がきくので便利でした。栄養士さん監修で、塩分制限だけではなくタンパク質の量も計算されたメニューがあったので利用していました。
自炊に困っている方はよければ参考にしてください。⇩


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